2012年10月25日木曜日

トレースする

今日はトレースして絵の具でのせてみる。それには勿論トレーシングペーパーを使う。愛宕教室の子供達は前回のレッスン終了時、エレベーターの乗り口へ見送りに出た時、「次は鳥描きたい」と言っていた。だから鳥の図鑑。綺麗な鳥が沢山載っているね。これは荒俣宏著「世界大博物図鑑」で、大事なある日頂いたものだ。装丁がズバ抜けて優れている。

 これは表装。美しいでしょ。平凡社から出ている。わたしが、わたし自身では手にすることは出来ず、出会えなかった本だと思うと、本当に大変嬉しい出会いであった。その方を介さずには出会えないもの、そういった機会を幾度も与えてくれている。1蟲類、2魚類、3両生・爬虫類、4鳥類、5哺乳類で全5巻あると、頂いた際、この図鑑を下さった方が興奮しておっしゃっていた。ご自身蟲類か哺乳類が欲しいのだとおっしゃる。全巻揃えたもんなら、上海の高級ホテルに3、4日宿泊し、おいしいご飯を毎食頂けるくらいのお値段がする。少なくともわたしの所有しているプジョーのカラシ色の自転車よりは高い。値段のことばかり書いてしまったが、それに値する以上の内容と言いたいのだ。下の図版を見て欲しい。要はこの様、ズバ抜けて中身も優れている。荒俣さんらしく、鳥の、神話・文学との関わり/民話・伝承なんて項目もある。「人と鳥のユートピア」「鳥と会話が出来ない人びとの努力」なんて前書き文まである。内容をこの場を借り案内したいが止めておく。荒俣さんのためにも気になられたら是非購入して下さい。
梟、なんとも可愛い。表情、動きの表現が豊かだ。
 子供達に内容の蘊蓄より、図版絵、その色の素晴らしさを伝えたい。それでは、丁寧になぞってみようね。上の子は最初[ドウドウ/頭と嘴の異常に大きなアヒルお化けみたいな鳥]とか言っていて「よくそんな鳥知ってるね」なんて話していたが、いつの間にか[オニヤイロチョウ]を描いている。
 下の子はポケモンのノートの表紙をなぞっている。あら、今日鳥は描かないのかな。ポケモンのその絵はなかなか描く線が多すぎて難しいのではないかな。ただ、彼は一線一線、一生懸命だ。

 お母さんはデッサンの仕上げを。背景も鉛筆でつけてゆく。描く姿がまたかなり様になっておられる。本当に毎回、めきめき上達し、驚きを隠せない。

 「デッサンが終わったら、子供達と一緒にトレースしましょう」。花の写真をトレーシング。さらさら慣れた手つきで描いてゆき、着彩も素敵。お手のものであった。実際の写真より、出来上がったものはもっと素敵だった。「鉛筆でサインを描いてみましょう」と言うと、また良い筆跡でローマ字で名前を書かれた。本当に凄くいい絵になりましたよ。
 ついでにドローイングと称して、絵の具で遊ぶことに。この青と緑の混じり合った心ゆくままの絵は下の子、彼が描いたもの。激しく筆を動かしたのが絵から分かる。絵には時間や速度さえも、その空気感に出てしまうものだ。
 「出来ました」。「良く出来ました」。完全なデッサンは初めてだったはずが、よくここまで仕上げたものだ。素晴らしい。この絵は全部で3週足らずくらいで描いてきたので、途中でカボチャが駄目になり、途中でしれっと林檎に置き換えたが、何もそれについてはおっしゃられず、立派に仕上げて下さった。
 ドローイングで遊ぶ其の1。トレースで写し取った絵に色をつけた。図鑑の鳥の色そのままでなくていいのよ、と伝えたら、上の子が彼女らしい色合いで(淡い色合いが得意)描いた。ドローイングは何でもしてよいのよ。と少し手本を見せたら、鳥の周りに英文字を描きだして、ジャクソンポロックの様な筆から絵の具を飛ばす方法を教えたら、迷う事なく、ピシャ、ピシャっと。
これも上の子のドローイング其の2。こちらは青い絵の具を基調とした。鳥の羽の辺りの色合い、凄く綺麗だね。英文字と数字が効いている。其々、色んな個性が飛び出して、わたし自身楽しいレッスンだった。

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