「新人現る」の回でも紹介した、普段から自身絵を描いている彼女。レッスン初回にお互絵についてじーーーっくり話しをしたこともあり、彼女は普段から描く人なのもあってわたしは教えるということに頭を少し抱える。「はて、、、では白鼠では果たして何をしてゆくのか、、」。そこでその時に持ち上がったあるプロジェクトがありまして、
毎回、1つ、もしくは2つのペンによる点描画を仕上げていくことになった。
毎回、わたしが何らかのモチーフを予告無しに、一つのテーマ性を含めて用意させてもらって、その並んだモチーフから、何かしら彼女の感覚で察知した要素を、絵の中に表現している。「こう出たら、どうする」「そういきたら、こう行く」「あらそうきましたか」という様な掛け合いをお互いに楽しんでやっているといったかんじ。
この日は冷たいモノ、金属とか、冷たさを感じるモノの御題を掲げるため、自宅から鉄のフォークやら、真鍮のスプーンやら、直径1・5ミリ程の少し太めの針金を曲げた様な、一見「知恵の輪」の様なクリップ。ニンニク、石の写真の本、骨董市で見つけた薬をすり潰すためのガラス棒などを持って、「如何なものだろうか・・・」と用意した。
わたしは、毎回課題の内容を実はもの凄く悩む。勿論、彼女にだけでは無く、どの生徒に対しても。描く時間を楽しんで欲しいし、なるべく取っ付き易く、でも前回とは少し違っていたり、初めての画材、技法の、モチーフの新鮮さとか、割と実は悩んで悩んでいる。これはどこの絵画教室の先生も同じかもしれないけども。
絵を見る事はその人自身を見ることだ。
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